ハイブランド店員の態度が悪い?接客が査定に感じる圧迫問題
X(旧Twitter)に以下のようなツイートが散見される
定期的にハイブランドで最低の接客されたというポストありますね。
どこでも販売員の当たり外れは必ずあるので「誰か他の人と変わって」と言えばいいんですが正直それで買わないのであれば店側の販売機会損失。みんな激しい予算背負ってますからね。
夏の蛤は困る。見(身)腐って貝(買い)くさらん。— rico (@lycheelychee) August 28, 2025
ハイブラさんの見下しは構わんけどそれで偉そうにしてる雇われ人間は嫌いである。ブランドの売り方は別にそれに魅了されたなら従うしかないから仕方ないけど店員さんはな、オメェに価値はねぇからなと思う。
— ァㇻヵヮ↺ (@magi_kawa) January 13, 2026
高級ジュエリーや時計、ハイブランドの店員が勘違いした偉そうな接客してるのを見ると、どうせ年収600万円もない貧乏なのに頑張ってイキがってて可愛いくて食べちゃいたくなりますからね。
— 金沢 容 (@kanazawa_you) November 15, 2024
日本のファッション業界でシバシバ見かける、なんとなく上から目線で偉そうな人種www
そして興味深いのが、みな似たような雰囲気を漂わしている。
あの冷笑的な空気と威圧感からくる強い差異意識は、何なのか?
とくにスーツ系やハイブランド系に、この人種がちらほらいる…
このスーツやハイブランドを纏った男たちの威圧の中にあるメッセージを【ただ性格の悪い劣等感大盛り】の、めんどくさい人たちと安易に結論づけていたが、どうもそう一筋縄ではいかない…
無垢だった青年がホスト業界に入ると夜の匂いをしっかり纏うように、ファッション業界にも【冷笑的で威圧的な香り】があるのだろうか?
果たして、あの独特な冷笑と威圧を合わせた空気感は、どこから来ているのか?
私は、彼らをそうたらしめる一つの思想にたどり着いた。
それは、【ダンディズム】である。
ダンディズムとは?
ダンディズムとは、18~19世紀のイギリスで、ボー・ブランメル(Beau Brummell)によって象徴化され、「自分の人生を美意識によって統御しようとする態度」のことであり、単なるオシャレの領域にとどまらず、振る舞い、話し方、感情の出し方、人生そのものを一つの様式として作り上げようとした思想です。
このブランメルが生み出したダンディズムが、現メンズクラシックの原型と言われています。
そして、彼は単なる洒落者ではなく、「近代的男性像」を大きく変えた存在でした。
【ブランメルの銅像】
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“Beau Brummell Statue Jermyn Street” by Herr uebermann is licensed under CC BY-SA 3.0.
私は、このブランメルの作ったダンディズムが、ファッション業界に悪い意味で影響を与えていると感じるのです。
ブランメルの生い立ちについてサラッとご紹介します。
ボー・ブランメル(Beau Brummell)
本名:ジョージ・ブライアン・ブランメル(George Bryan Brummell)
1778年 ロンドン生まれ
父親は、官僚的な仕事で財産を築いた中流上層階級の人物であり、古い貴族の家系ではありませんでした。
ブランメルの生い立ちで一つ重要なのが、彼は【貴族出身ではなかった】という点です。
当時のイギリス社会は強い階級社会だったため、ブランメルは生まれによって権威を持っていたわけではありません。
彼は幼少期から頭が良く、父親の成した財で名門校イートン校へ進学し、学内では「洗練された態度」と「機知」で有名だったと言われています。
彼は単に服装だけでなく、会話、ユーモア、立ち居振る舞いによって周囲を魅了し自然に振舞っていました。
ここで重要なるのが、その自然の振る舞いを身に着けるためにした努力を、”努力と見せない”クールな態度を徹底していたことです。
ダンディズムの核心である「自然に見える完成度」は、学生の頃から形成されていました。
そして、在学していた当時の皇太子(後に国王となるジョージ4世)と友人となることで、一気にロンドン社交界に進出し、その名を轟かせていきます。
この時代は「摂政時代」と呼ばれ、華やかな社交文化が発展していました。
当時の典型的貴族(男性ファッション)は富を象徴するような、派手な色彩、レース、香水、装飾が多かったが、ブランメルはそれを好まず逆方向へ進みます。
彼は、黒や濃紺を中心にしたシンプルな服装、完璧な仕立て、純白のシャツ、清潔感、細部への異常なこだわりを重視し、「派手さ」ではなく「完成度」で優雅さを表現したのです。
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“Beau Brummell” by Kirby York is marked with Public Domain Mark 1.0.
彼は毎朝何時間も身支度に費やし、洋服に年間で1億円使っていたと言われています。
他の貴族が不摂生(ふくよか)な身体をしていましたが、ブランメルはストイックで美しい脚線美を持っていたとも言われ、その努力を絶対に見せませんでした。
ブランメルにとって本当のエレガンスとは、「頑張っているように見えないこと」これは後のイタリア的スプレッツァトゥーラにも通じる思想です。
また彼は、服だけでなく「態度」でも革命を起こしていきます。
感情を過剰に露出せず、常に冷静で、皮肉とユーモアを持ち、距離感を崩さなかった。
つまりブランメルは、「近代的クール」の原型でもあります。
しかし彼の名声も長く続くことはなくギャンブルや浪費で莫大な借金を抱えるようになります。
さらに、かつての友人だったジョージ4世との関係も悪化し、特に有名なのが、ブランメルが皇太子について「あれは誰だ?」と皮肉を言った逸話です。
これによって完全に宮廷から干され、社交界での立場を失い、やがて借金から逃れるため、彼はフランスへ亡命同然に移住します。
晩年は孤独と貧困の中で過ごし、最終的には精神も衰弱し1840年、フランスで亡くなります。
ダンディズムの裏側
ここまでの説明の通り、【貴族出身ではない】ブランメルはダンディズムにより自己を極限まで演出し社交界に強い影響を与えました。
しかし「自己演出」によって階級社会を超えたが、その演出を維持し続けることで破滅したとも言えます。
私はブランメルが破滅に向かった理由に、以下の心理構造にあると考えています。
ダンディズムの心理構造
ダンディズムは「俗世間から精神的自由を得たい」という欲望から始まります。
- 大衆に埋没したくない
- 流行に支配されたくない
- 凡庸になりたくない
このような心理には深い逆説があり、他者から自由になりたいのに、実際には「他者の視線」を強く意識すようになります。
- 洗練されて見えるか
- センスがあると思われるか
- 凡人と違って見えるか
これらを無意識に気にしてしまい「超越したい」という欲望が、逆に比較と承認への依存を生んでいきます。
この強い欲望がマイナスに触れてしまうと以下の感情が根付きます。
- 冷笑
- 虚栄心
- 承認欲求
- 優越感
ブランメルは、非常に感受性が高く、【美に敏感・粗野さに傷つきやすい・恥に敏感・拒絶を恐れる】だからこそ、先に世間を見下し【流行を馬鹿にする・感情的な人を軽蔑する・「自分は違う」と考える】自己防衛に走ったのでは?と考えられます。
ジョージ4世に対して無礼な態度をとるのも、社交界での功績が彼を冷笑的成功者に少しずつ変えていったのだと思います。
そしてその冷笑的成功の裏には、傷つきたくないという強い恐れが隠れていて、その根源には、自分が【貴族出身ではない】という劣等感があったのではないでしょうか?
ファッション業界(クラシックスタイル)界隈では、ブランメルを称賛するような声をシバシバ耳にしますが、私はこのダンディズム的思考には眉をひそめています。
それは、ブランメルのファッションの根源にある精神が、愛情からくるものでなく、相手を負かそうとい精神【マウント思考】からきているからです。
現代におけるダンディズム【まとめ】
SNS時代のダンディズムは、しばしば「ブランド化する為の過剰な自己演出」へ向かっていると感じています。
虚像の世界観・凄いのかよくわからない盛った経歴・虎の威を借りる権威性・冷笑的エレガンス、このようなものを演出し続けると人は、「存在」ではなく「像(キャラクター)」を生きることになります。
ここに現代的ダンディズムの危険が潜んでいて、演出された自分が本質的な自己を置いてけぼりにし、その人物にモヤをかけ違和感を抱かせるようになります。
そしてそのモヤに本人は、まったく気が付かず破滅へと進んでいく…
私は、ブランメルは単なるファッションアイコンではなく、「近代人が自己をどう演出するか」という問題の象徴と捉えています。
ファッション業界に蔓延るダンディズムの悪しき影響は、更新が必要であり【ダンディズム2.0】いや【3.0】なる次世代型の哲学を今後考える必要に迫られていくのではないでしょうか。
次回は【ダンディズム3.0】について考えていきたいと思います。
みなさんも、ダンディズムを更新してイタリア男のような、お洒落な日本人を目指していきましょう。
それでは、また Ciao(チャオ)




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